手紙でよく使う敬語表現:尊敬語・謙譲語・丁寧語の一覧
敬語とは相手への敬意を表すための言葉ですが、表現が間違ったり過剰に使ってしまうと違和感があったり印象が悪くなります。
敬語の正しい使い方を身に着けて、敬意をしっかり相手に伝えれるようにしないといけません。
どのように表現していくのか、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つの種類をもとに、敬語の基本的な使い方や作り方と手紙でよく使われる言葉の例文を一覧にしてまとめました。
うまく文章を構成するために必要なことをまとめてますので、手紙にはどんなことを書けばいいのか迷ったら、まずはこちらからご覧ください。
敬語の基本的な使い方
敬語は一般的に
- 尊敬語
- 謙譲語
- 丁寧語
この3つの種類に分けられます。
尊敬語について
尊敬語は相手を持ち上げて自分を下に置く言葉です。目上の上司や先生などの行動を表現するときに使います。
①「お」「ご」を名詞の頭につける
お身体、お加減、お悲しみ、お幸せ、お手紙、ご家族、ご意見、ご都合、ご両親、ご了承 など
②「お」を形容詞の頭につける
お美しい、お懐かしい、お優しい など
③動詞の尊敬形を使う
「お」+「動詞」+「~になる」「~なさる」「~くださる」
お会いになる、お食べになる、お読みになる、お受になる、お思いになる など
「動詞」+「れる」「られる」
会われる、食べられる、読まれる、受けられる、思われる など
独特な形の動詞の尊敬語
おっしゃる、いらっしゃる、めしあがる、ご覧になる など
謙譲語について
謙譲語はへりくだることで自分を下に置く言葉です。自分の行動を表現するときに使います。
①謙譲を表す言葉+名詞
名詞に「小、拙、卑、愚、粗、弊」などの謙称をつける。
小生、拙宅、愚妻、粗品、弊社 など
②動詞の謙譲形を使う
「動詞」+「いたす」「申し上げる」
お願いいたします、お尋ねいたします、お願い申し上げます、お祈り申し上げます など
独特な形の動詞の謙譲語
申す、参る、存ずる、伺う、拝見する、いただく
丁寧語について
丁寧語は丁寧な言葉で相手を敬う言葉です。
聞き手が話し手よりも上位である場合に使われ「です」「ます」「ございます」が代表的です。
①「お」「ご」を名詞の頭につける
②「です、ます、ございます」を動詞につける
手紙でよく使う敬語一覧
普通の表現 | 尊敬語 | 謙譲語 | 丁寧語 |
会う | お会いになる 会われる |
お目にかかる お会いする |
会います |
与える | お与えになる 与えられる 下さる |
差し上げる あげる |
与えます |
言う | おっしゃる 言われる |
申し上げる | 言います |
行く | いらっしゃる おいでになる お越しになる |
うかがう 参上する あがる |
行きます |
いる | いらっしゃる おいでになる |
おる | います |
受け取る | お納めになる お受け取りになる |
いただく 賜る 拝受する |
受け取ります |
送る | お送りになる 送られる |
お送りする ご送付する |
送ります |
思う | おぼしめす お思いになる |
存じる 存じ上げる |
思います |
買う | お求めになる お買いになる |
買わせていただく 頂戴する |
買います |
考える | お考えになる ご高察下さる |
考えておる 拝察する |
考えます |
借りる | お借りになる 借りられる |
拝借する お借りする |
借ります |
聞く | お聞きになる 聞かれる |
うかがう うけたまわる 拝聴する |
聞きます |
着る | 召す お召しになる 着られる |
着させていただく | 着ます |
来る | おいでになる いらっしゃる お見えになる お越しになる 来られる |
参る あがる |
来ます |
くれる | くださる 賜る |
差し上げる | くれます |
知る | お知りになる 知られる |
存じ上げる 存ずる 承る |
知ります |
する | なさる あそばす される |
いたす させていただく |
します |
尋ねる | お尋ねになる 尋ねられる |
お尋ねする お伺いする |
尋ねます |
食べる | 召しあがる あがる 食べられる |
いただく 頂戴する |
食べます |
寝る | お休みになる 寝られる |
寝させていただく | 寝ます |
見る | ご覧になる 見られる |
拝見する 見させていただく |
見ます |
もらう | お受け取りになる もらわれる |
いただく 賜る 拝受する |
もらいます |
読む | お読みになる 読まれる |
拝読する 読ませていただく |
読みます |
今回は「動詞」の尊敬語や謙譲語を中心に一覧にしましたが、名詞の尊敬語(尊称)と謙譲語(卑称)もあります。
こちらも独特な表現で表される言葉も多いので、ぜひご覧になってください。
まとめ
会社の上司や目上の人に手紙を送る場合、敬語表現は必ず必要になってきます。
相手に敬意をうまく伝えられるように、敬語の表現は身に着けておきましょう。
ただ、あまりに過剰になりすぎて二重敬語になったり、尊敬語と思っていたものが謙譲語だったなど、誤用や不自然な言葉になっていたりすることもあります。
×お聞きになられますか
〇お聞きになりますか
「お~になる」と「~られる」の二重敬語
×拝見してください
〇ご覧になってください
「拝見」は謙譲語で相手の動作には使わない。
など間違いやすい言葉もあるので、一度手紙を書いた後はもう一度チェックしてみましょう!
そして、手紙には特定の場面で「忌み言葉」というものが存在したり、今回のような「敬語表現」で苦労している方もいるのではないでしょうか?
敬語について3種類に分けた解説とともに各ポイントや敬語の一覧を用意していますので、ぜひこちらも言葉遣いの参考にしてください。