忌み言葉とは?結婚式や葬儀で避けたい言葉と言い換え例

2024年2月6日

忌み言葉とは

結婚式や葬儀、出産やお見舞いの手紙を書く上で、不吉な言葉を連想させる忌み言葉があります。

手紙の種類によって忌み言葉も変わりますが、いったいどんな言葉がタブー視されているのか?

相手に不快感や違和感を与えないためにも、忌み言葉とは何なのか学んでいきましょう。

そして、忌み言葉を使わずに表現する言い換え例についてもまとめましたので参考にしてください。

手紙の各構成や書き方、マナーについてはこちら

>>手紙の構成に必要な項目は?改まった形は縦書き!

うまく文章を構成するために必要なことをまとめてますので、手紙にはどんなことを書けばいいのか迷ったら、まずはこちらからご覧ください。

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忌み言葉とは

忌み言葉とは「不吉な意味の語を連想させる言葉」で、結婚や弔事、出産や新築などの特定の場面でそぐわない言葉のことを言います。

日本古来にある言霊思想の影響と言われていますが、例えば葬儀の手紙で、

死、苦、迷う、重ね重ね、くれぐれも

これらは忌み言葉です。

「死」や「苦」は直接的な言葉で嫌われるため、「永眠」「他界」「やすらかに」などに言い換えられます。

「重ね重ね」や「くれぐれも」は重ね言葉と言われていて、意味を強めるために同じ語を繰り返し用いる言葉で普段からよく使うと思います。

ただ、弔事の席で重ね言葉を使うと「不幸が重なる」として嫌われます。

結婚式でも「再婚を連想させる」として重ね言葉は使いません。

結婚や弔事、出産や新築などの際の手紙では書き終わったら必ず読み返し不適切な言葉がないかチェックし、あった場合は他の言葉に言い換えましょう。

では、どういった忌み言葉があるのか、場面に合わせた避けるべき言葉をピックアップしまとめました。

 

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忌み言葉:結婚・婚約

結婚や婚約では、別れや何度も結婚する繰り返しのニュアンスを持つ言葉が忌み言葉になります。

 

別れを連想させる言葉

別れる、分かれる、離れる、別々になる、切る、切れる、割れる、飽きる、壊れる、破れる、終わる、去る、出る、放す、破れる、消える、解ける、逃げる、負ける、流れる、枯れる、冷える、戻る、帰る、返る、滅びる、断つ、だめになる、病む、短い、苦しい、寂しい、悲しい、薄い

 

繰り返しを連想させる言葉

繰り返す、重ね重ね、返す返す、再び、再度、再々、またまた、皆々様、近々、たびたび

 

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忌み言葉:葬儀・弔事

生死に関する直接的な言葉はタブーですし、場にそぐわないような言葉もいけません。

また繰り返し(不幸が重なる)を連想させる重ね言葉も嫌われます。

 

生死に関する言葉

死、死去、死亡、生存、生きる、死ぬ、苦、四(=死)、九(=苦)

 

葬儀・弔事にそぐわない言葉

嬉しい、楽しい、喜ぶ、穏やか、迷う、浮かばれない

 

繰り返しを連想させる言葉

繰り返す、重ね重ね、返す返す、再び、再度、再々、またまた、皆々様、近々、たびたび、いよいよ、ますます、しばしば、ときどき、まだまだ、引き続き、さらに、追って、くれぐれも、また

 

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忌み言葉:出産・懐妊

出産の手紙では「失う」「死ぬ」などを連想させる言葉はタブーです。

四(=死)、九(=苦)、流れる、落ちる、破れる、消える、逝く、死ぬ、苦しむ、枯れる、消える、失う、崩れる、衰える、滅びる、ダメになる、散る、弱い、降りる

 

忌み言葉:受験・入学

受験では「落ちる」「滑る」などの言葉はご法度で、こういった言葉には手紙ではなく、普段の行動や言葉でも敏感になっていますよね。

入学では新たな環境でのスタートなのに、先行きを不安させるような言葉は嫌われます。

止める、落ちる、終わる、流れる、倒れる、壊れる、崩れる、消える、失う、破る、滑る、取消、変更、敗れる、負ける

 

忌み言葉:新築・開店

新居や新店舗でスタートを祝う手紙に、火事などの災害や倒産を連想させる忌み言葉はダメです。

火、赤、燃える、焼ける、傾く、失う、壊れる、つぶれる、流れる、負ける、倒れる、閉じる、さびれる、行き詰まる、散る、下がる

 

忌み言葉:病気・災害

病気や災害のお見舞いの手紙に、死や病気の繰り返し、長期化を連想させる言葉はタブーです。

四(=死)、九(=苦)、苦しい、死、寝込む、衰える、枯れる、失う、長引く、痛い、寝る、根付く、続く、くり返す、さらに、再び、バラバラ、また

 

忌み言葉の言い換え例

場面によって忌み言葉もたくさんありますが、同じような意味でも言い方を変えるとしっかり相手に伝えることができます。

例えば、結婚や婚約の場面で「新しいスタートを切る」といった言葉を使うことがありますが「切る」は忌み言葉なので、結婚の手紙には不適切です。

そこで忌み言葉を使わず同じ意味を相手に伝えるには、

「新しいスタートラインにつく」

このように言い換えることで、忌み言葉を使わずに気持ちを伝えることができます。

そこで参考のために、場面ごとの忌み言葉の言い換え例をまとめてみました。

 

結婚・婚約

×新しいスタートを切る
〇新しいスタートラインにつく

×去る6月20日に婚約いたしました。
〇私ども6月20日に婚約いたしました。

×奥様にくれぐれもよろしくお伝えください。
〇奥様にどうぞよろしくお伝えください。

 

葬儀・弔事

×返す返す残念でなりません。
〇本当に残念でなりません。

×まだまだ長生きしていただきたく願っておりましたが
〇ご回復をお祈りいたしておりましたが

 

出産・懐妊

×月日が流れるのは早いもので
〇早いもので1年の月日がたち

×落ち葉が舞い散る季節となり
〇秋も深まってまいりましたが

 

受験・入学

×試験を終えられて
〇試験を突破されて

×大切な時期に体調を壊さないように。
〇健康にはご留意ください。

 

新築・開店

×年の瀬も押し詰まり
〇年の瀬も押し迫り

×不況にも負けずに
〇厳しい現状を乗り越え

 

病気・災害

×仕事が長引きお見舞いにも伺えず
〇仕事の都合でお見舞いにも伺えず

×またお見舞いに伺います。
〇近いうちにお見舞いに伺います。

 

まとめ

特定の場面で様々な忌み言葉が存在するので、手紙が出来上がったらもう一度読み返してチェックしましょう。

ただ、あまり忌み言葉にとらわれすぎるとおかしい文章になる可能性もあります。

しっかりと誠実に文章を書く上で外せない言葉であれば、文章の流れによっては忌み言葉は使ってもかまいません。

無神経に何度も重ねて使うのは良くないですが、文章の流れや必要に応じて使う事は失礼には当たらないので、あまり堅苦しく考えすぎず常識の範囲内で考えましょう。

そして忌み言葉も大切ですが「敬語表現」で苦労している方もいるのではないでしょうか?

>>手紙でよく使う挨拶言葉の意味や使い方について

敬語について3種類に分けた解説とともに各ポイントや敬語の一覧を用意していますので、ぜひこちらも言葉遣いの参考にしてください。

 

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