手紙の構成に必要な項目は?改まった形は縦書き!
手紙には基本構成があり、それに従えばだれでも簡単に整った手紙を書くことができます。
難しく考えがちですが、手紙は「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つから構成されていて、この形式に沿って書けば読みやすく礼にかなった手紙が自然と仕上がります。
今回は手紙の構成について各項目と縦書き、横書きのルールなど見ていきましょう!
手紙の構成に必要な項目は?
手紙の構成は「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つで成り立っています。
前文:初めの挨拶
主文:本題
末文:最後の挨拶
後付け:日付、署名、宛名
この4つの項目を書き入れた構成で手紙を書けば、礼儀にかなった手紙になります。
これ以外に親しい相手に送る場合は副文を加えることもあります。
副文とは「追伸(PS)」の事で、こちらの方がわかりやすいかもしれません。
頭語と結語、前文と末文などは自然な流れで主文へと入るために必要な事なので、積極的に取り入れていくことがオススメです。
その頭語と結語の組み合わせには、一定の決まりがあります。
状況に応じて、どの頭語と結語のセットを使うのが最適なのか?様々なケースに対応した書き方をこちらのページにまとめています。
>>頭語と結語の組み合わせ一覧!読み方や意味などを文例と学ぼう!
頭語と結語の使い分けについて知りたい方は、ぜひこちらをご覧ください。
前文
手紙の前文とは、拝啓などの「頭語」や季節の挨拶言葉として使う「時候の挨拶」から始まり、「相手の安否をうかがう挨拶」などにつながる初めの挨拶となります。
前文の構成はある程度は決まってたりするので、文例を参考にするだけでも礼儀正しい文章が出来上がるでしょう。
>>手紙の前文とは何なの?文例と3つのチェックポイント!
>>前文の決まった言い回しでよく使う挨拶の基本構成
主文
手紙の主文とは「本題」にあたります。
前文で気候についてや安否確認など初めの挨拶を行い、そして主文へと入っていきます。
本文では伝えたい事、用件をなるべく簡潔に最初に述べるのがポイントです。
そして詳しい事情へ続けていくのがスムーズな主文の書き方になります。
末文
手紙の末文とは「結びの挨拶」になります。
手紙の前文が「冒頭の挨拶」なら、末文は「締めくくりの挨拶」ですね。
主文で手紙で伝えたいことを書いた後は、この末文で手紙を締めくくりの挨拶を行います。
末文では相手の健康や幸福などを祈る言葉などに加え、用件を総括する言葉や結語を使って締めくくります。
>>手紙の末文とは何なの?例文を交えて3つのチェックポイント解説!
>>末文の決まった言い回しでよく使う挨拶の基本構成
後付け
手紙の後付けとは「日付」「署名」「宛名」を書き入れる部分になります。
「いつ」「誰が」「誰に」宛てた手紙なのか明確になります。
>>手紙の後付けの位置や書き方のポイント!会社名や役職は必要?
追伸(PS)
追伸(PS)とは「あとがき」を意味する言葉です。
PSはpost scriptの略でpostは「after」、scriptは「write」を表しており「後で書く」を言う意味になります。
手紙の基本構成は「前文、主文、末文、後付け」の4つの項目で構成されるのが基本の形ですが、書き洩らしたことや追加で伝えたい事がある場合、後付けに続けて「追伸(PS)」という形で書き足す場合があります。
追伸(PS)は副文や追って書きなどとも呼ばれます。
>>追伸(PS)の意味や手紙の中での書き方とは?目上やビジネスでは失礼?
手紙の構成は縦書きが改まった形
手紙は基本的には縦書きが改まった形となります。
横書きの場合はカジュアルな形になるため、親しい相手に送る時にすることが多いです。
もちろん縦書きで親しい人に送ることも構いませんが、ビジネスや目上の人に横書きで手紙を構成するのは控えておきましょう。
縦書きの手紙の構成は次のようになります。
拝啓 歳末の候、ご家族の皆様にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご指導を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、このたびは、ご丁重なお歳暮の品を頂戴しまして、誠にありがとうございました。子供たちは大喜びで、豪華な食事を楽しませていただきました。
年末ご多忙の折、寒さも一段と厳しくなってまいりますので、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
まずはお礼のみにて、失礼いたします。 敬具
十二月二十一日
吉田弘子
山本孝弘様
沙織様
横書きの手紙の構成
横書きでの手紙の構成についても例文を紹介します。
後藤 朝子様
10月も半ばを過ぎて秋の夜長をしみじみ感じるころとなりました。お元気でお過ごしですか。
先日は次男誕生のお祝いに、立派なベビーカーを送ってくださりありがとうございました。早速使わせていただいておりますがお出かけするのが楽しくなります。
二人目の赤ちゃんですが、長男とは全然違ってよく動く子で少しも目を離せないため戸惑う事も多いですが、やっぱりかわいいものですね。
なお、内祝いの品を別便にてお送りいたしました。どうかお納めください。
産休が済むまでご面倒をおかけしますが、社内の皆様にもくれぐれもよろしくお伝えください。
まずはお礼まで。
10月24日
吉田弘子
追伸 朝夕は寒くなってきましたので、風邪などひかれませんように。
横書きの場合は相手の氏名を一番上の左側に書きます。表題を入れる場合はそのあとに中央に置いて書きます。
そのあとは縦書きと同じ構成で「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目を書いていきます。
②前文:初めの挨拶
③主文:本題
④末文:最後の挨拶
⑤後付け:日付、署名、宛名
例文で番号をふっている部分はそれぞれのパートになっています。これは縦書きも横書きも柱の部分は変わりません。
最後に「⑥追伸」を書き入れていますが、書き洩らしたことや念を押したいことなど加える時に使います。ただし、目上の人や結婚関係の手紙などでは使いません。
横書きの場合は友人や親しい人に送る場合のスタイルで、ビジネスや目上の人への手紙には使わない事が一般的です。
ビジネスと親しい人では手紙の構成も変わる
ビジネスや目上の人に送る手紙では礼儀にかなった失礼のない手紙を書く必要があります。
でも、親しい間柄の場合、最初の挨拶は飛ばしいきなり本題に入ることも多くあります。
ですので、状況に応じて基本構成を変えたり挨拶の一部を省略しても構いません。
相手との関係性を意識してふさわしい手紙を送るようにしましょう。
手紙を書くときのポイント
手紙を書こうとするときにはポイントを抑えて書くことで、失礼のない立派な文章や構成が整います。
まずは「どんな相手に送るのか」仕事関係なのか親しい身内なのかで言葉遣いや内容も変わってきますよね。
また、時候の挨拶や季節の事も書き入れるため「時期」は非常に大切になります。
→【1~12月別】時候の挨拶「上旬・中旬・下旬」の例文や書き方
そして本題では言いたいことを簡潔に書き、ダラダラと長い文章にしないことです。
他にも決まり文句を利用したり、縦書き横書きの構成の違いはありますが、何より相手の気持ちを思いやる心を持って丁寧に書くことが大切になりますね。
また、そのためには手紙でよく使う敬語表現や尊称と卑称、忌み言葉といったように、言葉の使い分けも非常に大切になります。
上司に対して敬語を使ったり、結婚式の祝辞で不幸や別れを連想させた言葉を使って失礼な思いをさせたりしないために、言葉遣いにも気を配る事は忘れないようにしましょう。
まとめ
手紙の構成に必要な「前文」「主文」「末文」「後付け」の4つの項目はしっかりと抑えておきましょう!
これは縦書きでも横書きでも基本は同じです。
ただし、縦書きと横書きの構成では異なる点もあるので、何が同じで何が違うのか今のうちにチェックしておくと安心ですよ。