寒中見舞いを喪中はがきの代わりで送るときの文例と書き方を徹底解説
身内に不幸があった場合、年賀状を出さずに喪中はがきを送るのが一般的ですが、何らかの理由で喪中はがきを出せなかったり出し忘れたりした場合は、どうすればいいのでしょうか?
そのような場合に有効なのが、寒中見舞いを喪中はがきの代わりに送るという方法です。
寒中見舞いは、寒い季節に相手の健康を気遣う挨拶状で、誰でも送ることができます。また、喪中であることや年賀状の欠礼をお知らせすることもできます。
しかし、寒中見舞いを喪中はがきの代わりに送る場合には、いつ送るのか、どのように書くのか、注意点は何なのかなど、マナーを守る必要があります。
この記事では、寒中見舞いを喪中はがきの代わりに送るときの例文と書き方を徹底解説しますので、ぜひ参考にしてください。
寒中見舞いを喪中はがきの代わりで送るときの注意点
寒中見舞いを喪中はがきの代わりで送るケースには、次のような理由が考えられます。
- 喪中のために年賀状を書けなかった。
- 喪中はがきを出し忘れた人から年賀状が送られてきた。
- 身内の不幸が11月下旬や12月にあったため、喪中はがきの作成が間に合わなかった。
このような場合に、寒中見舞いを出して喪中であった事を伝えると良いでしょう。
そして、送られてきた年賀状のお礼や返信できなかったことへのお詫び、年内最初の挨拶として、「今年一年変わらぬお付き合いをお願いします。」といった言葉などを添えます。
しかし、喪中であるため、新年を祝ったり喜んだりする言葉は使いません。
例えば、
「丁寧なお年始状を頂きありがとうございます。」
*「年賀状」ではなく「お年始状」「年頭のごあいさつ」と表現する。
*「賀」はめでたい言葉のために使用を避ける。
こうすると、より丁寧な文面になります。
喪中はがきの代わりに送る寒中見舞いの文例
では、喪中はがきの代わりに送る寒中見舞いの文例をもとに、書き方やポイントを見ていきたいと思います。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただき、ありがとうございました。
ご家族の皆様におかれましてはよき年をお迎えなされたご様子、心よりお喜び申し上げます。
昨年十二月に祖父が永眠いたしまして、年頭のごあいさつを控えさせていただきました。
欠礼のごあいさつが行き届かず、大変失礼いたしました。
この一年が皆様にとって良き年となりますよう、お祈り申し上げます。
寒さ厳しき折から、風邪などひかれませんように。
令和○年一月
こちらは、相手から喪中に年賀状が来た時に、その返信を寒中見舞いで送った時の文例です。
先ほど説明したように「年賀」の賀、はめでたい言葉のため使用を避け、「お年始状」や「年頭のごあいさつ」などを使用します。
文例の「永眠」の表現は「天寿をまっとう」「他界」などの表現もあります。
また、喪中であることを伝える「喪中欠礼」の連絡が行き届かなかった非礼をお詫びしましょう。
そして最後に相手の健康や幸せを祈る言葉を添えます。
寒中見舞いで喪中に使ってはいけない言葉やマナー
自分や相手が喪中のときには、寒中見舞いであっても使ってはいけない言葉やマナーがあります。
例えば先ほどあったように、年賀状の「賀」です。
このようなお祝いの意味を含む言葉は避けるべきです。他にも、不幸がくり返すというニュアンスの言葉は使わないようにしましょう。
また「死ぬ」「生きる」などの直接的な言葉や「うれしい」といった喪中に合わない表現も避けましょう。
一般的な弔事の手紙のマナー
一般的な弔事の手紙では「くり返しを連想させる言葉」は使ってはいけません。
「返す返すも残念でなりません。」は使わず、「本当に残念でなりません。」という文面で表現します。
そして、死を直接的に表す言葉も使ってはいけません。
「お父様のご死去の報に接して~」は使わず、「お父様のご逝去の報に接して~」という文面で表現します。
「ご存命中は大変お世話になりました。」は使わず、「ご生前のご厚情に感謝しております。」という文面で表現します。
ただ、これらは弔事の手紙の際の気を付けるべき表現です。寒中見舞いのような挨拶状ではここまで気にしなくてもいいと思います。
ただ、気になる方は参考にしていただくと、より相手に寄り添った寒中見舞いになると思います。
喪中での寒中見舞いの句読点について
喪中はがきを送る場合は、句読点を使いません。
句読点は、文を読みやすくして読み手の理解を助けるためのもので、礼儀を重んじる弔事では、敬うべき相手に対して句読点を用いる事は失礼だという考えがあります。
ですので、死亡通知や喪中はがきなどの儀礼的な手紙では、マナーとして句読点は避けるべきです。
しかし、今回は喪中であったとしても寒中見舞いという季節の挨拶状であるので、句読点については気にしなくて大丈夫です。
喪中の方への寒中見舞いの文例
では、喪中の方へ寒中見舞いを送る時はどのようになるのか、文例をご紹介します。
寒中お見舞い申し上げます
年始のご挨拶はご服喪中とのことと存じ遠慮させていただきましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
遅ればせながら、お父上様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ご父上様のお優しい語り口と柔和な笑顔をたびたび思い出し、お偲び申し上げております。
この冬は例年にない厳しい寒さとのこと、どうぞ皆様ご自愛くださいますようお祈り申し上げます。
令和○年一月
まず先方が喪中であることを知っているうえでの「寒中見舞い」であることを伝え、健康についてのお伺いをします。
故人と面識がある場合には生前の思い出について触れ、故人を偲ぶ気持ちをつづってもよいでしょう。
喪中はがきの代わりの寒中見舞いまとめ
近年では、寒中見舞いの扱いも便利な物へと変わっています。
喪中の方へ年が明けてから年頭のごあいさつとして送ったり、「喪中欠礼」を送っていない人から年賀状をいただいた場合の返礼の際に、利用することが多くなってきています。
このように、うまく活用すれば季節の挨拶状以上の役割が期待できるので、ぜひ今回の文例や書き方を参考にしてください。
寒中見舞いは冬のご機嫌伺として送るのはもちろん、松の内までに出せなかった年賀状の代わりや返礼、喪中の方への年頭のあいさつ代わりとしても送ることができる、便利なお便りです。
その寒中見舞いの出す時期や書き方、文例などを別のページでまとめていますので、寒中見舞いで分からないことがあったら、こちらのページを参考にしてください。