手紙の縦書きマナー:数字や日付、段落のポイント
縦書きの手紙のマナーについて、基本的な構成を始めとして数字や日付の表記の仕方。
そして段落や時期などの書き方のポイントをまとめました。
手紙の縦書きマナー
手紙は縦書きで書くのが一般的です。
ビジネスや目上の人への手紙では縦書きで書くのがマナーですが、友人や親交の深い近しい間柄の人にも問題ありません。
縦書きか横書きかわからなければ、縦書きで書くことをオススメします。
縦書きの手紙のマナーは「前文」「主文」「末文」「後付け」を意識して構成します。
前文:初めの挨拶
主文:本題
末文:最後の挨拶
後付け:日付、署名、宛名
それぞれの項目に意味があり、この順番で書くことで礼儀正しい手紙が自然とできあがります。
縦書きの手紙の例文
ここで縦書きの手紙の例文を一つ載せてみましょう。
拝啓 歳末の候、ご家族の皆様にはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご指導を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、このたびは、ご丁重なお歳暮の品を頂戴しまして、誠にありがとうございました。子供たちは大喜びで、豪華な食事を楽しませていただきました。
年末ご多忙の折、寒さも一段と厳しくなってまいりますので、ご自愛のほどお祈り申し上げます。
まずはお礼のみにて、失礼いたします。 敬具
十二月二十一日
吉田弘子
山本孝弘様
沙織様
手紙の構成についてはコチラ → 手紙の構成に必要な項目は?改まった形は縦書き!
この手紙では「前文」「主文」「末文」「後付け」で構成されており、それぞれがしっかりと役割をもって自然な流れで手紙が出来上がるように作られています。
まずはこの構成をしっかりと頭に入れて、順番に手紙を書いていきましょう。
手紙の構成についてこちらのページでまとめています。
>>手紙の縦書きの書き方と例文でのポイント解説!横書きとの違いも!
手紙の書き方の細かなマナー
頭語と結語をそろえる
縦書きでも横書きでも、文章のマナーとして頭語と結語の一致は大切です。
頭語に「拝啓」を使ったら結語は「敬具」で結ぶといった事です。
頭語と結語は組み合わせが決まっているので、それが違うと違和感のある手紙となりマナーが悪くなってしまいます。
頭語と結語の組み合わせは →【頭語と結語の組み合わせ一覧!読み方や意味などを文例と学ぼう!】
こちらのページで詳しくまとめているので参考にしてください。
相手の立場を考える
前文や主文といった手紙の構成もありますが、形だけ整っていてもマナーに反する手紙ができることもあります。
それは相手が年下や親しい関係であったとしても、改まった手紙を書くのであればしっかりと言葉遣いも考えなくてはいけませんよね。
相手を敬う思いやりの心が無いと文章にもそれが表れてしまいます。
そのためには言葉遣いに注意する必要がありますし、特に敬語を正しく使うことが求められます。
敬語には尊敬語や謙譲語などあって、どのシーンでどの言葉を使えばいいのか難しいですが、手紙の内容や相手によって注意する必要があります。
字配りや段落に気を付ける
手紙を書く上で相手の名前やその人を指す言葉が下に来るのはマナーに反するという考えもあります。
人の名前を行頭と行末に分けて書くのもマナー違反です。
例えば、
西川
慎吾様
このように分かれてしまうとマナーに反するものが地名や数字、熟語なども2行にまたがらないように注意しましょう。
他にも、「です」「ます」などの文章を締めくくる言葉を行頭に置かないなどもあります。
書く時期は重要
お祝いの手紙やお悔やみ状、見舞いのハガキなど、手紙にはすべて書くタイミングや時期が大切です。
夏が過ぎたのに暑中見舞いというのはおかしいし、出産祝いの手紙も生まれてから1年後とかおかしいですよね。
また、相手から来たお歳暮に対してのお礼が、年をまたいで数か月たってからというのも時期がおかしいです。
逆に災害にあった友人へのお見舞い状などでは、相手がひと段落ついたころに送るのがマナーです。
手紙を受け取る、出すタイミングは「相手の状況」と「自分の気持ちを最も伝えられる時期」の兼ね合いをしっかりと考えましょう。
手紙の縦書きでの数字は?
縦書きの手紙の場合、特に後付けでは日付を書き入れていきますが、数字は漢数字を使用します。
ちなみに横書きの場合は算用数字です。
封筒に住所を書くときも、縦書きの場合には漢数字を使うのが一般的です。
手紙の縦書きでの日付は?
手紙には後付けに日付を書き入れますが、縦書きの場合日付は漢数字を使います。
例えば、2020年12月21日の場合ですと「二〇二〇年十二月二十一日」となります。
日付について西暦年については「二千二十年」とはせず、「二〇二〇年」という表記が一般的です。
元号年や月日は十百千万などを使う表記が一般的です。
例:令和六年
住所を書き入れるときは、郵便番号は縦書きも算用数字が一般的です。
例えば、5丁目45番地などの場合は「五-四十五」とすればいいと思います。「五-四五」でも構いません。
さらにマンションなどで○○号室などの場合は、例えば108号室だとすると、「五-四十五-一〇八」といったように十や百の表記は使わないことが多いです。
まとめ
縦書きの手紙のマナーとしては、手紙の基本的な構成を参考に書いていけば形としては整うと思います。
それに加えて数字や日付の表記、段落や時期などを気にしながら心を込めて書くことができると、礼儀正しい手紙が完成すると思います。
また横書きで書く場合のマナーは別ページでまとめています。
縦書きとはまた違う部分で注意すべきポイントがあるので、こちらも読んでみてください。